ガン治療

ガン緩和療法外来

犬と猫の死亡原因となる病気のトップはガンです。

人と同様に高齢になるほど犬と猫のガンの発症率が高くなり、高齢の犬と猫の死亡原因の第1位となっています。
犬の死亡原因の5割以上、猫の死亡原因の約4割がガンです。

正しい予防としっかりとした早期発見の為の定期的なウェルネス検診が大切です。
生後6ヶ月ぐらいまで、にしっかりと避妊去勢手術をすることで、犬猫の乳腺と子宮のガンを予防することができます。
また3ヶ月毎のウェルネス検診をすることで、多くのガンの早期発見をすることができます。
年齢の若いときになりやすいガンもあるなど、年齢や性別になど、その犬と猫に合わせたオーダーメイドなウェルネス検診をすることがガンの予防と早期発見に大切です。

血液のガン、肝臓のガン、リンパ節のガン、皮膚のガンなど様々な部位のガンがあります。
オーダーメイドのウェルネス検診に加えて、尿検査、レントゲン、腹部超音波検査など様々な検査と組み合わせることで精度の高い早期発見につながります。

3ヶ月毎のウェルネス検診を定期的にしっかりと受けましょう。そして年齢や性別などに合わせたオーダーメイドの定期検査を年に1~2回実施するとより安心です。

ガンの治療方法は4つです


a.外科   b.放射線   c.抗がん剤   d.緩和療法


※a⇒b⇒c⇒dに行くほど体への負担が軽くなります。


第4のガン治療の緩和療法には様々な治療方法があり、それぞれの緩和療法の利点を生かし組み合わせることでより高い効果を期待できます。


 

ガン治療は最初から緩和療法を併用したパラレルケアがQOL(生活の質)を向上させます


抗ガン剤などのガン治療と同時進行で、並行して緩和療法を行うことをパラレルケアといいます。


パラレルケアは、患者とその飼い主に対して、ガンの早期より痛み、身体的問題、心理的不安などを軽減し、それが障害とならないように予防したり、対処することで、生活の質(クオリティ・オブ・ライフ:QOL)を改善します。  


ガン治療は当初から緩和療法を併用したパラレルケアが、犬と猫のQOLをより向上させます。

当院の緩和療法は高濃度ビタミンC点滴および細胞治療に取り組んでいます


ビタミンCは強力な抗酸化作用を発揮しますが、その際に大量の過酸化水素を発生させます。


この過酸化水素をガン細胞は中和出来ず消滅していきます。


このように高濃度ビタミンC点滴は、動物に優しく非常に副作用が少ないのに関わらず、しっかりとガンに対抗できる緩和療法です。


詳しくは、高濃度ビタミンC点滴療法のページをご参照ください。


高濃度ビタミンC点滴


 


高濃度のビタミンCが体内に滞在するようにする療法のため、癌や悪性腫瘍に対して効果的です。


 

当院での高濃度ビタミンC点滴の実際のケース


酪農学園大学動物医療センターにてCT検査や組織病理検査で、肛門嚢腺癌(悪性)と肝臓腫瘍の診断受けた高齢犬です。臀部から後肢にかけて広範囲に腫瘍が大きくなり、大学病院でも手術は困難ということで、高濃度ビタミンC点滴治療を希望し来院されました。


高濃度ビタミンC点滴療法を行った結果、殿部から後肢に大きく広がった腫瘍は縮小し、そして腫瘍は触診ではまったく認められなく寛解状態まで改善しました。腹部の肝臓腫瘍も超音波検査では極々ちいさいサイズまで小さくなりました。


すべてケースで同様の治療結果を期待することは難しいですが、高濃度ビタミンC点滴はガンへの治療効果があります。それに加えて、ガンの犬猫の食欲や元気さの維持など生活の質を上げてくれる効果もあります。

積極的ながん治療を望まない患者さんや、末期ガンの患者さんへの最後の砦となれば幸いです。


まずはご相談ください。


ただし、緩和療法は万能ではありません。


命を見送るイザというときのための心の準備も大切です。


それは、グリーフケアです。


グリーフケア