専門外来

在宅点滴外来

当院では慢性腎臓病のペットのための在宅点滴外来を行っています。

慢性腎臓病とは腎臓の進行性の病気で、高齢の子に多い病気です。
進行性の病気なので治療をしても完治するということはありませんが、
適切な治療を行うことで病気の進行を遅らせることができます。
腎臓病では脱水を起こしやすく、皮下点滴をしてあげることで脱水の緩和になります。
当院では、慢性腎臓病と診断され定期的な点滴が必要とされるペットに対しての自宅での輸液療法を行っていますので、その流れについて書いていきたいと思います。


輸液セット内容


輸液剤、50mlシリンジ、18ゲージ注射針、翼状針、アルコールと綿花


(1)手を綺麗に洗います
(2)50mlシリンジに18ゲージ注射針を付けます。

(3)輸液剤のゴム部分をアルコール綿化を使って消毒し、50mlシリンジで輸液剤を必要量吸います。この時、輸液剤をフックなどに吊り下げると吸いやすいです。

(4)18ゲージ注射針を翼状針に付け替えます。

(5)ペットの毛をかき分けて皮膚をアルコール消毒します。

(6)皮膚を少しつまんで引っ張ると三角形のくぼみができるので、そこをめがけて翼状針を指します。
この時実施者の指を指してしまわないように注意。

(7)針が皮下に入ったらシリンジを押して輸液剤を入れます。

(8)全て入れ終わったら翼状針を抜き、少しの間刺した場所を乾いた綿花で押さえます。輸液が漏れ出てたり少し血が滲んでくるようだったら止まるまで押さえておきます。

※翼状針は皮下点滴の都度交換です。使い終わった翼状針は針先に気をつけて元のキャップをつけてまとめて病院へ持ってきてください。病院で処理します。
※輸液剤の使用期限は開封後2週間です。2週間を超えたものは破棄してください。
※50mlのシリンジと18ゲージの針は輸液剤の開封と同時に新しいものを使用してください。
※針と接する場所や針が手や被毛などに触れた場合は、感染予防のために必ず新しいものと交換してください。
★上記の注意事項は、感染予防のために必ずお守りください。

この流れを病院の中で飼い主様と一緒にひとつひとつ確認しながらやっていくので心配はいりません。
実際に家に帰って点滴をしていくなかでわからないことや不安なことがあれば、随時ご相談していただければお答えします。