専門外来

肥満外来

体重管理は健康維持の第一歩

 肥満によって様々な病気が起こることが確認され、最近では肥満そのものを病気とする考え方が強まってきました。
 犬の4頭に1頭が太り過ぎというデータもありますが、肥満の判断は、骨格の差や主観もあり難しいものです。
 標準体重では測れない個々の肥満度を判断するためには、一般的に「ボディコンディションスコア(BCS)」を用います。動物病院等で、専門家の評価と指導を受けましょう。
 また以下に該当する場合、肥満になりやすい因子を持っているかもしれないので特に注意が必要です。
◎太りやすい犬種(ミニチュアダックスフンド/ゴールデンレトリーバー/ラブラドールレトリーバー/シーズー/ビーグル/パグ/シェットランドシープドッグ/コッカースパニエル)
◎太りやすい体質(遺伝)
◎年齢(高齢になる程太りやすい)
◎性別(雌の方が太りやすい)
◎子犬・子猫の頃に太らせてしまった場合

 肥満はペットにとっても万病の元。様々な疾患を誘発し、すでにかかっている病気を悪化させたりします。
・関節炎、椎間板ヘルニアなど(過剰な体重で骨、関節に負担がかかる)
・心臓病、高血圧(体重が増えると血圧が高くなり、負担が大きくなる)
・糖尿病(脂肪がつきすぎるとインスリンの効き目が弱くなる)
・気管虚脱(脂肪がつきすぎると気管が圧迫され悪化する)
・尿石症(肥満による運動不足が発症リスクを高める)
・膵炎(高脂肪食との関連が指摘されている)
・がん(肥満は免疫力を低下させ、がんのリスクも高まる)

また、肥満動物では麻酔が効きにくく覚めにくくなり手術のリスクも高まります。

 もし肥満と判断されたら…ダイエットにチャレンジしましょう!
動物病院と相談し、理想体重を決めた上で、1日に必要な食事量、目標体重に達するまでの日数(目安)などのプログラムを作成してもらいましょう。

【ポイント】
・ダイエット用のフードを利用する場合は、1週間位かけて少しずつ切り替える
・猫の場合、急激なダイエットは危険。必ず動物病院と相談して行う。
・定期的に体重チェックをし、写真を撮るなどして変化が目に見えるようにすると励みになる

太ってから痩せるのは大変!日頃から理想体重をキープできるようにしましょう。